皆さんの中には既に退職されていて、退職時に頂いた退職金を預金口座にいれて老後少しずつ食いつぶしながら生活の糧にしようと考えている方もいらっしゃると思います。
今回は退職金を運用すべき理由と大切な年金の運用手法について書いていきます。
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インフレによる資産価値減少リスク
預金が一番安全な資産保全手段という考えが日本人には根強いと思います。
これは日本特有の事例かと思います。
何故なら日本はただ一国、約30年間でモノの価値が一定、又は少し下がっているデフレが発生している国だからです。
モノの価値が下がると、相対的にお金の価値があがりますので預金という選択肢は資産保全の一つの選択肢として考えられるでしょう。
然し世界では発展途上の国では4%から10%を超えるようなインフレが発生している国もありますし、先進国のアメリカや欧州でも毎年2%近辺のインフレが発生しています。
日本はバブル期に成長を先取りしすぎた為、それに従い物価もGDPもうなぎ上りでしたが、この30年間ずっとその調整をしておりました。
然しながら、この調整も漸く終わりの兆しを見せ今後日本でも、このような緩やかなインフレが発生することが予想されます。
仮に年率2%でインフレが進行した場合の物価は以下のようになります。現在100円のものが20年後つまり80歳時点では145円になる計算となります。

つまり2000万円退職金を頂いていたとしたら、20年後にはこの価値が1300万円程度になってしまうことを意味します。
インフレが発生する理由としては、現在日本の労働需給の引き締まりが今後劇的に引き締まることが主因です。
実際に日銀もインフレターゲットを2%に置いており、これを達成するべく、様々な政策を打ってくることが明らかです。
超高齢化の日本では、現在労働需要が逼迫しておりますので、給料の上昇圧力がかかるのは時間の問題となります。
更に海外の富裕層が相対的に富裕層になっていき、物価が停滞している日本の安い製品を買いあさることにより需要が増加し、物価が上昇することも期待されます。
ロンドンで働いた経験のある私の経験からすると、ロンドンでは一軒家が3億以上しており、東京の不動産はまだまだ格安だなと思いました。
東京では一軒家が1億程度で帰るので、海外の人たちがこの洗練された大都会東京に大挙する時も近いなと感じました。
お金の価値が減少していく・精神上の問題
インフレと日々の生活費ですり減っていく資産というのは、精神もけずられていくものです。
日本人の家計の資産分布をみてみましょう。

みていただければ圧倒的に日本人のリスク資産である投資信託、株式等への割合が低いのが分かります。
米国人や欧州人のイメージは老後は配当生活っていうイメージがありますが、まさにそんな感じになっています。米国の株式市場はずっと堅調に成長していますので、日本人との金融資産の格差はひろがっていく一方ですね。

米国人が資産を2倍にしているうちに、日本人はまだ1.2倍にしかできていません。
毎年資産が順調に増えていくのと、順調にへっていくのでは気の滅入り方も違います。
常にお金の問題に苛まれないためにも、一定割合は確りと投資する必要があります、
退職金運用プランを比較・元本保証ではなく株式投資がおすすめ
では実際に運用するとしてどのような運用が適切となるでしょうか。
まずこの年金という資産の性質を考えないといけません。この資産は大事な老後の資産の為、減らさないことを第一に考えないといけません。
然し、日本人が大好きな元本保証型の運用をしても意味ありません。定期預金や保険運用は1%程度の運用利益しかなく2000万円の退職金でも1%であれば20万円程度でしかなく殆ど意味がありません。
更に引き出したいときにも長期間引き出せないという、流動性を奪われるという問題もあります。
折角運用するのであれば10%程度の利回りを確保し、200万円と年金をあわせた500万円ていどで毎年生活していければ、資産を減らさずに生活していくことが出来ます。
この利回りを最も達成しやすいのは「株式投資」です。
株式投資の優位性
なぜ株式投資かというと、それは歴史が証明しているからです。

株式投資が1802年から常に他の資産(投資先)をオーバーパフォームしています。
6.7%の平均リターンを確保しています。
これはあくまでも平均で、株式市場に出てみると、2倍株、3倍株、つまり100%、200%のリターンを生み出す個別株式が存在することがわかります。
ポートフォリオを調整して、うまくリターンが出せれば上記で述べた10%の利回りも実現可能でしょう。しかし、この利回り10%という数字はとても難しい水準です。
個人で毎年コンスタントに収益を上げるのは非常に難しく、株式市場を退場する人が後を絶ちません。
ハイリスクハイリターンな相場であることは間違いありません。株初心者が急に勝負を仕掛けるところではないのです。
株式投資で最もリスクが低く、高いリターンが見込める手法がバリュー株投資です。
バリュー投資は割安な銘柄を厳選して選んで、投資する手法で、そもそも割安な株式なので下落リスクが少ない投資手法となります。
例えるならデパートで1万2000円の入っている財布が1万円で売られているので買いましょうという感じです。
更に現在日本はこのバリュー株投資に適した投資環境となっており、うってつけの投資手法となっております。(参照:日本の株式市場の特徴とお薦め投資手法を解説)
オススメの運用先
先程オススメしましたバリュー株には一つ重大な欠陥があります。
それは永遠に割安なままに放置される可能性があるということです。
例えデパートで1万2000円が入った財布が1万円でうっていても、それが踊り場の窓の裏に売られていたら誰も気づきませんよね。
いくら割安でも注目されなければ全く値上がりしないまま時間だけが経過するという事態に陥りがちになります。
この事態を防ぐために、ある程度の資産規模で行う必要があります。
基本的に割安に放置している株は、小規模な会社が多い為ある程度の資金を投下して株式の一定割合をもつことにより大株主になることが出来ます。
大株主となれば、モノいう株主として経営に提言し収益改善、費用の改善提案を行ったり、直接的に自社株買を提案し、株式価値をあげることが出来ます。
このような投資手法としてまず頭に浮かぶのは投資信託だと思うのですが、投資信託はおすすめできません。
その理由は二点あります。
真に割安な銘柄に投資できていない
バリュー株を謳っている投資信託は単にPBRという指標が低い銘柄だけに投資し、一つ一つ財務諸表を分析しておりません。
PBR = 株価 ÷ 1株当たり純資産
で算出される数値で、株価が純資産に対して割安か割高かを算出する指標の一つで、PBRが1を下回れば割安であると言われています。
然し、純資産というのは資産―負債で算出されるのですが、左の資産はいくらでも過大に見せることが出来ます。
例えば売れる見込みのない商品も資産として計上されますし、もっと曖昧な無形固定資産も資産としてカウントされる為、その企業の資産がいったい保守的にみていくらなのかということは詳しく財務分析を行わないと分からないのです。
そもそも投資信託は流動性が高い大型銘柄に主に投資をする為、真に割安銘柄が存在する小型銘柄を分析対象から外している為、本当の割安投資をしているとはいえません。
経営者への働きかけをおこなっていない
投資信託を運用しているのはサラリーマンファンドマネジャーであり、オフィスの中で投資銘柄を選定しております。また危機意識も足りません。
この点は元金融庁長官である森氏も触れている点です。
米国では、企業のファンダメンタル価値を評価する投資家の層が厚いため、市場の効 率化が進み、インデックス戦略が有効に機能していると言われていますが、10 年以上存 続している日本の株式アクティブ型投信281本の過去10年間の平均リターンは信託報酬 控除後で年率 1.4%であり、全体の約三分の一が信託報酬控除後のリターンがマイナス となっていました。ちなみに、この 10 年間で日経平均株価は年率約3%上昇しており、イ ンデックス投信が一般的にアクティブ型投信に比べリターンが高いとのマルキールとエリ スの主張は、日本株投信についても当てはまるように思えます。
私の友人の欧米の運用者たちは、24 時間、365 日絶えず市場の動向を注視しており、 自分の資産も賭けて投資判断を行っています。心も身体も擦り切れるくらいストレスが溜 まる一方で、成功すれば大きな報酬を得ることが出来ます。このように、欧米の一流の投 資運用業は、スポーツの世界と同様、究極の実力本位になっていると感じます。 それと比べて日本はどうでしょうか。運用会社の社長が運用知識・経験に関係なく親会 社の販売会社から歴代送り込まれたり、ポートフォリオ・マネージャーは運用者である前 に○○金融グループの社員であるという意識が強く、運用成績を上げるより定年までい かに間違いをせず無事に勤めあげるかが優先されてはいないでしょうか。
参照:https://www.fsa.go.jp/common/conference/danwa/20170407/01.pdf
然しバリュー株投資で本当に行わなければいけないのは、経営に入り込んで株価向上策を講じることです。
投資信託のファンドマネジャーは投資をすることがメインで、このような経営に対する見識がなく、株価向上策を講じることも時間もないというのがネックとなります。
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ヘッジファンドでの投資を推奨
ヘッジファンドは本物のプロ集団によって運用されており、詳細な財務諸表からの分析は勿論のこととして、経営に対しても経験があるプロが投資企業の経営に入り込み経営成績をあげるという施策を実施する能力も有しております。
ヘッジファンドといえば海外のイメージがありますが、日本にも東大卒の外資金融での実績を経て鳴り物入りのファンドマネージャーが運用しており、ファンド自体の成績は年率20%をマークしているバリュー株ヘッジファンドが存在しています。(以下ランキング参照)
纏まった金額である、退職金の運用先として考えてみてはいかがでしょうか。

まとめ
預金しておくのはもったいない!退職金を運用すべき理由と最適な運用方法を紹介…について解説してきました。
この記事の他にもおすすめの運用先については紹介していますので、参考にしてみてください!
2020年から投資先としておすすめできる投資先を収益性・安定性・将来性の観点から、ランキング形式で紹介しています。

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