今回は債券投資について書いていきたいと思います。債券投資は株式投資とならんで双璧をなす伝統的な投資先です。
一言に債券投資といっても個人が出来る債券投資には色々なものがあります。
本日は債券投資について、
- どのような種類の債券に投資することができるのか?
- 債券投資のメリットとは?デメリットとは?
- 債券投資は魅力的な選択肢なのか?
という点について詳しくお伝えしていきたいと思います。
Contents
日本国債
まず我々は日本人ですので、国債といえば日本国債が一番身近でしょう。
日本の金融政策
まず現在の日本の金融政策についてみていく必要があるのですが、ご存知のように日銀によって大規模緩和を行っております。
日銀の金融緩和については主に二つに大別することができます。
1つ目は有名なマイナス金利です。マイナス金利といっても、預金口座に対して課されるわけではありません。
日本銀行は市中の金融機関の銀行でもあります。市中の金融機関が日銀に預けいれている預金が一定額を超えている部分に▲0.1%のマイナス金利を付与するというものです。
要は市中銀行に日銀に預け入れずに、市中にお金を回しなさいということです。
2つ目はイールドカーブコントロールという施策です。イールドカーブというのは国債の年限毎の金利をプロットしていったものです。
イールドカーブコントロールでは10年物国債の金利を0%近辺にするという世界に先駆けた前代未聞の政策を実施しています。
つまり下の図のような形状の年限毎の国債金利にしますよ!ということです。当然10年未満の金利はマイナスになります。
おすすめの国債投資
この金融政策を条件とするのであれば、10年未満の国債利回りはマイナスということになります。
実際そうなのですが、日本人として国債にプラスの利回りで投資する手段があります。それは財務省が発行している個人向け国債です。
メリットとして以下が付与されます。
年率0.05%の金利を最低保証
1年経過した場合は、いつでも換金可能
元本割れ無し
1万円から投資可能
なぜ実勢よりも高いレートでこのような優遇がついているかということなのですが、日本人が日本国債を大量に保有することは全く問題ないと政府が考えているからでしょう。
日本国民が日本社債を購入するということは、親が子から金を借りているだけで、トータルで日本国全体としての借金は増えませんからね。
政府として一番心配なのは、外国人に大量に保有されて危機発生時に国債が大量に売り込まれて金利が上昇。それにより利払いが不可能になりデフォルトすることなので、これを避ける一つの施策として国民に保有してもらおうということなのです。
デメリットとしてはやはり利回りの低さでしょうか。定期預金でも0.3%の利回りで預けることが出来る中で、0.05%というのは物足りない気がしますね。
インフレへの活用法
また別の活用方法としては物価連動国債へ投資をする投資信託もあり、投資をしたくないけどインフレのヘッジをしたいという方はこのような投資信託を購入することにより、インフレ対策を行うのは一つの手といえます。
外国債券投資
某ネット証券で外国債券として並べられているものを見てきました。
先進国の債券投資
まず先進国債券についてみてみましょう。

コロナショックが発生するまでは、米国債の10年ものは2%-3%程度の水準で取引されていました。しかし、コロナショックを受けて米国の中央銀行であるFRBは再び政策金利を0%近傍まで大幅に引き下げました。
以下は米国の政策金利です。コロナショックを受けて急激に金利が下落していますね。
結果的に10年ものの米国債でも1%未満の水準で取引されているのです。世界的な低金利下において唯一期待できた米国債ですら金利は殆ど期待できない水準となっているのです。
少なくとも数年は先進国の債券金利を期待しないほうが賢明でしょう。
コラム:利率と利回りの違いとは?
上記の利率と利回りについて疑問に思われた方が多いのではないでしょうか?

例えば以下の例を考えてみましょう。
取引価格98USD (額面100USD)
利率 2%
期間は1年
利率というのは額面に対する利子の割合で、上記の例ですと100USD×2%=2USDとなります。一方、利回りはどうなるのでしょうか?
今、この債券を買えば98USDで買って、1年後に100USDで償還することができます。
つまり現在98USDで債券を買えば買えば、1年後に100USDと利子2USDの102USDを手にすることができます。つまり、最終的な利回りは(102USD/98USD)-1=4.08%となります。
投資家のリターンとして考える場合は利回りを見る方が重要ということが理解いただけたかと思います。
新興国国債への債券投資
先進国で最も高い利回りが期待できるのは今や米国で0〜1%ですが、世界の高金利といわれているトルコのように11%の高金利国債がネット証券で販売されています。
非常に魅力的ですね。けど本当にこの利率だけみて投資していいんでしょうか?

新興国債券投資のリスク
新興国債券投資で最も気を付けないといけないのは、為替リスクをもろに取っているという点です。
上の債券、全部米ドルや日本円建ではなくトルコリラやルーブルやブラジルレアル建となっています。新興国通貨のボラティリティは凄まじいものがあり年間30%以上動くこともざらです。
以下は近年のトルコリラ円のチャートです。ひどいものですね。。

つまり、債権利回りが10%でも為替で30%負けたら、結局トータルで▲20%となってしまうという結果になります。
もし元本保証型で安定した利回りを求めたいという方は新興国債権投資は絶対におすすめしません!
社債投資
次に社債投資ですね。会社が発行している債券を購入するというものです。
株式投資との違いは、値下りリスクがないことと、最後倒産した時に株式に先駆けて債券が返済されるという点です。
それでは個人で購入できる社債はどのようなものがありますでしょうか。

上記をご覧いただければわかりますが、シティグループの社債であっても利回りは1.05%となっています。
社債であったとしても、殆ど投資妙味があるという水準とは言い難いですね。
債券投資は魅力的か
ここまでのことを纏めると
国債:
プラスの利回りを確保できるが、現状ネット銀行の定期預金の方が割がよくお薦めできない。一方物価連動型国債の投資信託を買うことにより、国内のインフレをヘッジするという目的では有用となってくる。
外国債券:
先進国
コロナショック後の世界的な金融緩和によって、米国ですらもゼロ金利状態となっている。為替リスクをおいながら、殆どリターンが期待できないので投資する価値は現在は見受けられない。
新興国
表面上の利回りは高いが、ボラティリティが非常に高い新興国通貨の為替リスクを負うことになり、債券特有の安全投資という側面は全くない。
社債
たとえ社債であったとしても低金利の煽りをうけて、殆ど金利がでないという状況になっている。
コロナ禍によって世界的に低金利がしばらくの間継続することが確実となっている現状において債券投資を行う妙味は殆どなくなっています。
確かに債券は全体として安定性の高い商品ではありますが、やはりその他の金融商品と比較した場合には利回りの低さは気になります。
ポートフォリオの内10-30%程度を債券で保有するのはありえますが、しかし資産を全て債券で持つといった考え方はやめた方が良いでしょう。なにせ、年に2~3%の利回りでは資産の大きな成長は期待できません。。
実際、一部の優良な投資ファンドなどであれば、債券と同様に低リスクでありながら、リターンとして5〜10%程度を狙っていくことも可能ですので、そのあたりはランキング記事を参考にして頂ければと思います。
それではまた!
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