人口増加期ではなく産業がエネルギー偏重が特徴のロシア経済!2020年世界低迷期をいち早く脱出は可能か?

人口増加期ではなく産業がエネルギー偏重が特徴のロシア経済!2020年世界低迷期をいち早く脱出は可能か?

前回はロシアの成立と、その後ロシアを待ち受けていた苦難について簡単に纏めました。

 

 

今回はBRICSの一角として注目される現在のロシアと今後の成長の見込み、また注意するべき点について順にみていきたいと思います。

 

BRICS

ブラジル(Brazil)、ロシア(Russia)、インド(India)、中国(China)、南アフリカ(South Africa)の5カ国の英語の頭文字を並べたもの。今後、著しい経済成長の発展が見込まれる新興国の代表国で、もともとはブラジル、ロシア、インド、中国の4カ国を表す造語として、2001年ゴールドマン・サックスによって「BRICs」と名付けられた。その後、南アフリカが加わり、複数形を表していた小文字の「s」が南アフリカを表す大文字の「S」となり、BRICS(新興5カ国)と称されるようになった。

野村証券

 

ロシアの概要

まずはロシアの概要について見ていきたいと思います。

 

【面積】
1,710万km2 (日本の45倍)

【人口】1億4680万
人口密度低いですね。。因みにソ連の時は2倍の2億8000万人いたそうです。

【GDP】
1.2兆米ドル (日本の4分の1くらいですね)

【一人当たりGDP】
8,710 USD (中所得国の罠10,000USD目前ですね)

 

意外だったのはソ連とロシアはあまり変わらないと思ってたんですが、人口2分の1になったんですね。

そしてその状態でソ連の借金を継承ていうのはあまりに酷でしたね。

ロシアの直近までの経済成長率

それでは、ロシアのこれまでの成長の軌跡を見て頂きたいと思います。

2000年代は1990年代の混乱を乗り越え、構造改革の成果並びに資源価格の高騰を追い風として7%程度の成長を実現。

リーマンショック時に大きく落ち込み、その後は資源価格の下落、中国の失速を伴ってマイナス成長に落ち込んで、漸く最近立ち直り始めたという状況になってきました。

 

ロシア実質 GDP 成長率(需要項目別)

では今後どうなっていく見込みなのかということを考察していきましょう。

ロシアの人口動態

まずは人口ピラミッドから分析していきましょう!

ロシアの人口ピラミッド

 

いかがでしょうか。歪な形をしていますね。

確かに、労働人口は若年層が増えてきたので増加傾向にありますが、総人口という面でいえば2020年頃には総人口が減少に転じるので消費が減少していきます。

 

日本ほど深刻ではないものの、他の東南アジア諸国のような理想的な形をしているとはとてもいえませんね。

 

ロシアの産業構造

ロシアの最大の問題としてやはり過度に経済面でも財政面でも資源に偏重した構造にあることが挙げられます。

ロシアは石油や天然ガスをはじめとする頬う負な天然資源をゆうしている、生産量でも世界で1、2を争う有数のエネルギー大国です。

 

実際、輸出総額の約6割を石油・ガス等の燃料点エネルギー関連製品がしめ、財政収入の約4割が石油・ガス関連の税収を占めます。

 

ロシアの輸出総額に占める資源の輸出割合

 

ロシアの業種別GDP伸び率

 

資源に依存した財政の為、原油価格の動向次第でロシアの財政収支は左右されることを頭に入れておきましょう。

 

ロシアGDP成長要素

それではGDPの成長の要素別の寄与を見てみましょう。

2015年の原油価格の暴落により、通貨ルーブルが半分くらい減価したことにより強烈なインフレが発生、それによって国民の購買力は低下。

更に中銀はインフレを抑えるために利上げを実施、それにより個人消費と共に投資も減退。2016年はマイナス成長に陥りました。

2017年になってインフレが鎮静化し、中銀も利下げに転じたということもあり個人消費を中心に回復をみせプラス成長に転じています。

 

2020年は、当然、新型コロナウィルス感染騒動ぶよる影響により、実質GDPは大幅減少です。

ロシアの実質GDP成長率

 

ロシアの金融政策と為替

総合商社の為替部署で為替動向をみていたこともあり、中央銀行の政策とともに説明していきたいと思います。

上で書きましたが、原油価格の下落によってルーブルが減価、それにより発生したインフレで以下のように中央銀行は利下げを敢行しました。

ロシアの金融政策と為替

赤はUSD/RUBの為替レート、青はインフレ率、黄色は政策金利です。

インフレ高進により、政策金利17%まで上昇させました。考えて見て下さい政策金利が17%ということは貸出金利は更に高い水準です。20%程度でしょう。

 

20%の金利を払ってでも投資したいというプロジェクトがあるでしょうか。まあ国民としても、借入を行って不動産購入なんてとてもじゃないけどできませんよね。

全く投資する気になれませんよね。因みに政策金利が9%の時ですら、借入金利が原因で断念というプロジェクトは多かったと思います。当然経済は冷え込みます。

 

インフレをそのまま放置していけば、前回言及したようにルーブルがまた紙くずになり、対外債務を返済することが出来なくなりデフォルトということになりますので、これだけは防がねばなりません。

 

当然ロシアはデフォルト経験国なので、その悲惨さを知っているので、短期的な影響を犠牲にしてでも強硬な利上げに踏み切りました。

最近は青色のインフレ率が中銀の目標としている4%以下まで下回ってきたということもあり政策金利を下げる基調となっており、

 

これによって国民もローンを組み始めれますし、投資も喚起できるので成長軌道に再びのり始めたという状況になっています。

 

ロシアの為替市場と投資損益の関係

上で金融政策について書きましたが、ロシアの為替は原油価格と以下のように非常に連動しています。

ロシアの為替市場と投資損益の関係

赤がRUB/USD (つまりRUBが増加すれば上昇し、RUBが減価すれば下落します)、青がブレント原油価格です。

 

2016年度までは殆ど同じ動きをしていました。為替市場のプレーヤーも殆ど原油動向を見ながら、取引をしていました。

2017年にRUBのパフォーマンスが、原油価格を上回り始めましたが、これは2017年を通じて、新興国市場に資金が流入したことが原因です。

 

これは日米欧の主要中銀の緩和的政策でじゃぶじゃぶになったマネーの運用を高金利の新興国市場に流入させてキャリートレードをしようという世界的な潮流によるものです。

 

例えば、株式を買うにしても債券を購入するにしても、まずRUBを調達しなければいけないので、RUBが原油に対してアウトパフォームしているのです。逆にいうと新興国の通貨が上昇しているというのは株や債券に資金が流入していることの証左でもあるのです。

ここで為替相場と最終的な損益の関係について考察してみましょう。

 

例えば分かりやすく日本から為替のヘッジなしで米国株に投資したとしましょう。

今 1USD=100円の時、米ダウが24,000USDだとしましょう。

この状況下で米ダウを24,000USD分購入する時に必要な円は2,400,000円になります。

その後1年が経過し、米ダウが26,000USDに上昇したとします。この時に売却をするとどうなるでしょうか。

(ⅰ) 1USD = 120円の時
円価に引き戻すと3,120,000円となり、利益は720,000円になります。

(ⅱ) 1USD = 100円の時
円価に引き戻すと2,400,000円となり、利益は200,000円になります。

(ⅲ) 1USD = 80円の時
円価に引き戻すと2,080,000円となり、320,000円の損失となります。

 

米ドルの場合は、為替ヘッジを行うことは簡単ですが、新興国の通貨のヘッジは容易ではありません。もしできたとしても高い金利を支払わなければいけません。

 

例えばRUBの場合、ロシアの株を買う場合には日本円をロシアルーブルに変換して、ロシアの株を買うわけですが、為替ヘッジをするのであればRUB売円買のポジションをもたないといけません。

 

そうすると、10%程度の金利を払わなければいけないので、株価が10%以上上がらないとプラスの収益がでないのです。

 

その為、新興国の株式投資をする場合は、どちらにせよ為替ヘッジはしない方がよいと考えます。

 

何故かというと、上記のように金利を支払わないといけないという点と、株があがるのであれば結局株式市場で外国人が株を買うためにルーブルをかわなければいけないので、為替もあがる為です。

その為、いままで為替については特にふれてきませんでした。

この点については図を用いて一つの記事として今後纏めていきます。

まとめ

ロシアは人口は他の新興国に対して魅力的なものではなく、産業構造が大変に資源に偏重していることが分かりました。

現状としては原油下落ショックから徐々に立ち直ってきているという状況で、金融も引き締めを解除している最中になっており、暫くは回復が見込まれます。

次回は政治的な状況と国債収支や財政についてみていき株式市場を紐解いていきたいと思います。

 

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