日本配当追求株ファンド(価格変動抑制型) 『愛称:はいとう日本』を評価。絶対収益追求型で配当利回り水準で銘柄選び・・・?

日本配当追求株ファンド(価格変動抑制型) 『愛称:はいとう日本』を評価。絶対収益追求型で配当利回り水準で銘柄選び・・・?

 

以前に配当に特化した投資信託を見ていきましたが、興味深かったので今回も取り上げてみたいと思います。

前回取り上げたのは「ピクテ・グローバル・インカム株式(毎月分配)を徹底解剖・評価。高配当・公益セクターに投資をするファンドはコロナショックで沈没中。」ですが、やはり配当株の属性としてすでに成長が終わり安定的に収益が上がる企業が中心になります。

つまり、現在のコロナウィルスでリモート主体の生活、そして巣篭もりが必要な時期はどうしても収益が上げられないというリスクが顕在しました。

といっても、ワクチン普及は進んでおり、また米国も2021年GDP見通しは5%以上を想定するなど、強い景気が来るとの観測が強いです。

つまり、時間の問題である可能性が高いです。

 

今回は「日本配当追求株ファンド(価格変動抑制型) 『愛称:はいとう日本』」を取り上げてみます。やはり公益株やエネルギー株が中心になるでしょう。

前回のピクテと大きく違うところは、ピクテは海外分散ですが、はいとう日本は日本株に特化という点です。高配当株に関していえば海外で良いのではと思ってしまいますが。

結論としては、予想を超えるリターンの低さと投資戦略の矛盾を感じますので、投資することは私はないと思います。

 

日本配当追求株ファンド(価格変動抑制型) 『愛称:はいとう日本』とは?

日本株と株価指数先物の売り建てで収益を獲得する絶対収益追求型です。

配当追求で絶対収益追求型と聞くとなぜか違和感を感じてしまいますが、そういう戦略なのでしょう。

両立できるものなのでしょうか?日本株特化で・・・?

しっかりみていきたいと思いますが。

 

ファンドの概要:配当利回りに着目し絶対収益追求をするという矛盾を感じる

目論見書を一部抜粋します。

 

<商品分類>

  • 単位型・追加型:追加型
  • 投資対象地域:国内
  • 投資対象資産(収益の源泉):株式
  • 補足分類:特殊型(絶対収益追求型)

<属性区分>

  • 投資対象資産:その他資産
  • 決算頻度:年2回
  • 投資対象地域:日本
  • 投資形態:ファミリーファンド
  • 特殊型:絶対収益追求型

 

ファンドの目的

わが国の株式に実質的に投資を行うと同時に株価指数先物の売建てを行うことで、特定の市場に左右されることなく収益の獲得をめざします。(絶対収益の追求)株価変動を抑えて、配当等による安定的な収益の積上げをめざします。わが国の株式の「買付け」と株価指数先物の「売建て」を組み合わせて運用を行います。株式の投資にあたっては、配当利回りに着目し、銘柄を選定します。年2回の決算時(2・8月の各15日(休業日の場合は翌営業日))に分配を行います。

 

配当利回りに注目して絶対収益を追求するというとやはり違和感を感じてしまい私はもうダメです。あとでリターンはみていきたいと思いますが。

そもそも「高配当利回り」というのは、1株あたりの分配額が決定している中で、株価がだだ下がりしているからこそ発生する事象であり、それは今後の業績が悪くなる、ひいては倒産リスクまで織り込んでしまうようなことをいうと思います。

 

米国株の配当王や配当貴族などを見ても、優秀な企業が出す配当は利回りが5%を上回ることもなく、株価は上昇し、そして増配していくという美しい曲線を描いています。

対して、日本で持て囃されるJTなどは、はっきりいって未来がなさすぎるが故に高配当になっているものと思っています。

 

安全に、配当利回りで絶対収益を追求するという時点で引っかかるのはここなのです。高配当利回りであればそれは株価の将来の下落を織り込んでしまう。

安全な配当利回り2-5%程度であれば、絶対収益を追求するというほどでもなく、単にそれは4%程度の配当ファンドということで良い気がするのです。

絶対収益を追求するのであれば、指数を超えるリターンを目指すものですが、安全な配当利回りで指数を超えるリターンを狙えるということなのでしょうか。

 

とここまで懸念を示しましたが、TOPIXのインデックスファンドの成績を見ると、たしかに安全な配当利回り銘柄で指数をオーバーパフォームしてしまうのかなと思ってしまいました。

TOPIXインデックスファンド利回り

ニッセイTOPIXインデックスファンド

 

2017年、2019年は大幅にアンダーパフォームしてしまいますが、ここ5年で考えるとまずまずなのかもしれません。しかし、日本株のボラティリティはひどいですね。

2013年の日本株市場は負ける方が難しかった市場だったことがわかります。

ポートフォリオを見ていきたいと思います。

 

ポートフォリオL:超高配当利回りに投資するなど博打ではない様子が伺えるPF

長谷工コーポレーションなどは配当利回りが現時点で4%を超えていますが、その他は2%前後の配当利回りを出している銘柄に投資をしているのが特徴ですね。

 

順位 銘柄 業種 組入比率
1位 東京エレクトロン 電気機器 1.79%
2位 SUBARU 輸送用機器 1.67%
3位 長谷工コーポレーション 建設 1.62%
4位 アマダホールディングス 機械 1.62%
5位 マブチモーター 電気機器 1.61%
6位 阪和興業 卸売 1.61%
7位 東ソー 化学 1.60%
8位 アイシン精機 輸送用機器 1.59%
9位 小松製作所 機械 1.59%
10位 デンカ 化学 1.58%

 

ポートフォリオについては堅い配当利回りを出す銘柄中心の編成ですので、特にコメントはありません。

 

実績を見ていきましょう。

 

実際の実績…はやはりボロボロ。追い討ちをかけるコロナショック?

基準価額

純資産額46億円程度の小型ファンドです。

2018年から地獄に落ちています。まだ這い上がれないというところですね。

下り基調なところで、さらに追い討ちのようにコロナショックが発生。

 

配当株はオールドエコノミーが多いので、コロナワクチンがいきわたり経済活動再開が本格化するまでの道のりで回復していくことになるでしょう。まさに今ですね。

 

トータルリターンを見ていきましょう。トータルリターンは配当込みで利回りはどれくらいかがわかる指標です。見る前から直近1年はマイナスであることがわかってしまっていますが、見ていきましょう。

 

1年 3年(年率) 5年(年率) 10年(年率)
トータルリターン -11.36% -5.21%
カテゴリー 3.21% 0.40%
+/- カテゴリー -14.57% -5.61%
順位 71位 54位
%ランク 89% 90%
ファンド数 80本 60本
標準偏差 6.74 4.78
カテゴリー 9.76 7.99
+/- カテゴリー -3.02 -3.21
順位 35位 19位
%ランク 44% 32%
ファンド数 80本 60本
シャープレシオ -1.69 -1.09
カテゴリー 0.33 -0.1
+/- カテゴリー -2.02 -0.99
順位 75位 56位
%ランク 94% 94%
ファンド数 80本 60本

 

想像を超えてきました。1年-11.36%、3年-5.21%のリターンです。

誰もこの無謀な運用を止められなかったのでしょうか。2020年だけが悪者なのでしょうか?コロナが全て悪いのでしょうか?

 

年間収益の推移も見てみましょう。

2016年+1.9%、2017年-2.4%、2018年-1.6%、2019年-2.8%、2020年+0.1%。

2020年はもはやプラスでした。

 

■年間収益率の推移

いずれにせよ、もうコメントはあまりすることがありません。

 

投資妙味はある?全くなく戦略の限界を感じる

投資妙味はなしです。

なぜかというと投資戦略にも大きな矛盾を感じますし、実際のリターンもマイナス続きです。誰が買うのでしょうか。

 

 

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