ベンジャミン・グレアムのバランスシートに焦点を当てた投資手法とは?デメリットや欠点を含めて解説する!

前回、ウォーレン・バフェットの超長期の年平均利回りと投資手法について取り上げました。

→ 投資の巨人ウォーレン・バフェットの脅威の年平均利回りを徹底分析!なぜあんなに株式投資で成功できたのか?

その中でバフェットの師であり彼の投資手法の根幹をなす投資手法である割安株(バリュー株)投資の父と呼ばれるベンジャミン・グレアムについても取り上げました。

本日は彼の投資手法を紹介した上で、更に投資手法の弱点について記載していきたいと思います。

ベンジャミン・グレアム氏とその名言

彼の名著「賢明なる投資家」というのは、投資をかじったものであれば、一回は触れているであろうという不朽の名作として今も読まれ続けています。

因みに3500円する上、内容は難解で管理人も何度か挫折しかけました。

ベンジャミングレアムとバフェット

左にいるのがグレアム氏で右が弟子にバフェット氏です。ベンジャミ・グレアムは1894年生まれで1976年に他界されています。グレアム氏は「ウォール街の父」「バリュー株投資の父」と21世紀の現在でも賞賛されています。

 

彼は経済科学者としても高名でコロンビア大学教授としての側面を有しており、コロンビア大学で唯一最高評価A+を与えたのが、あのバフェットだったという逸話が残ってます。

そんな彼の名言は奥深いものがあるので、いくつか紹介したいと思います。

 

「個人投資家にできないことは「プロのゲームでプロに勝つこと」、自分のゲームで自分にコントロールできることで勝てば良いのだ。」

「過去57年間を振り返れば、世界を揺るがすような時代の浮き沈みや悲惨な出来事にもかかわらず、堅実な投資原則に従えば概して手堅い結果を得られるという事実は、常に変わることがなかった。」

「もしもあなたが慎重な投資家あるいは思慮深い実業家ならば、自分の出資分1000ドルに関する価値評価を、ミスターマーケットの言葉によって決めるだろうか?」

 

つまり、しっかりとした分析と信念に基づいて投資を行えば投資で負けることはないということを言っているのです。

グレアム流の投資術の概要

では気になるグレアムの投資術とはどのようなものであるかの概要を紹介します。

彼が開発したとされるバリュー株投資は、時価総額(発行株式数×株価)にたいして純資産が安い株式に投資を行うという手法です。

PBRを用いた一般的なバリュー株投資の欠点

一般的に世の中でバリュー株投資を行う際に使用されている指標としてPBR( 純資産/ 時価総額)という指標があります。

どの、ネット証券会社でもすぐ出てくる指標となっています。PBRが1より低いつまり純資産が時価総額より低い銘柄は割安であると認識されています。

→ 重要指標PBRとPERとは?株式投資における重要指標をわかりやすく解説する!

 

然し、この手法には欠点があります。

それは有価証券報告書から算出される純資産の質について全く分析されていない点です。純資産は有価証券報告書の総資産から総負債を差し引いて求めることができます。

例えば以下のようなバランスシートを持つ企業を見てみましょう。

 

質の悪いバランスシート

機械設備が果たして計上されているだけの価値があるかは疑念があります。また商品に関して簿価に対して老朽化が進み価値が著しく低減している可能性もあります。

更に何より商品が売れるという保証はありません。

生鮮食品等の業態によっては、売れずに廃棄となるケースも多いかと考えます。更に無形固定資産という、その名の通り形のない「のれん」等の怪しいものが計上されております。

つまり純資産が果たして有価証券に経常されているだけの価値があるかは不明な状況なのです。このような状況でPBRが低いという理由だけで投資判断を下すのは非常に危険ですね。

PBRの算出に用いられる純資産の価値自体に疑念があるわけですから。

質のいいバランスシートとは?

一方以下のようなバランスシートであればどうでしょうか?

質の高いバランスシート

現金等(現金+売掛金+受取手形)と有価証券という即時換金可能な資産のみで総負債を超えております。

場合によっては土地も値上がりして含み益を抱えているというアップサイドさえ見込める状況となっております。非常に質のいい資産を有しているといえるでしょう。

このように資産の質にまで言及して割安であるかどうかを判断して、株価が魅力的な水準であるかどうかという点まで考えるのが彼の考え方となります。

 

また以下のような式を満たす株式をネットネット株といい非常に魅力的な投資対象として考えています。(まあ、なかなかないんですけどね。。)

(現金同等物の資産) - (総負債) > 時価総額

 

→ ベンジャミン・グレアムの投資対象『ネットネット株』を分かり易く解説

 

このような割安な株というのは例えるなら「1200円の現金が入っている財布が1000円」で売っている」という状況になります。

 

つまり、極端に割安な株というのは値下がりリスクが少なく安定して保有していけるし、市場の注目が集まれば不意に急騰するという特徴をもっております。イメージとしては以下のような感じです。

 

 

このバリュー株投資が非常に優れたパフォーマンスを上げていることはグレアム自身の検証でも明らかになっておりますので、参考にしてみて下さい!

【ベンジャミン・グレアムの考え方①】バフェットの師のバリュー株投資の父の考え方を紐解く!積極的投資家と陥るべきではない手法とは?

 

グレアムの投資手法のいいところは確りとやれば、有価証券報告書から分析することができることです。しかし、相当に根気と知見が必要であり、なかなかサラリーマンを行いながら真剣にこの投資手法を実践していくというのは骨のいる作業となります。

グレアム流投資術の欠点

実は上記で若干触れているのですが、以下二点です。

 

  • Balance Sheetを根気よく各企業に対して分析するには時間がいるし、土地の評価等を行う為には実地調査等も必要であり、専業として行うのが好ましい
  • 上記のグラフで紹介した通り、株価が停滞する時期が長く、場合によっては全く市場から注目されず、万年割安株になってしまうという罠が存在する。

 

上の例でいうと最後の上昇局面がなく常に岩の心電図といわれる、全く動かない状況が永遠に続くという状態が発生しえます。

 

なぜ二点目のようなことが発生するかというと、基本的にネットネット株のような超割安株は東証一部のような大きな市場には存在しません。

 

東証二部や福岡証券取引所、札幌証券取引所等の地方証券取引所に上場されており時価総額が小さい銘柄が多い為、アナリストが放置状態となり適正な株価から相当に割安な水準でほったらかしにされているという状況になってしまいがちだからです。

経営者がこのような状況が異常であると気づき、株価上昇策 (自社株買いや経営を変革して注目度を上げる)等の努力を行えば、市場から脚光をあび株価が急騰しますが、そうでない限りは永遠に株価が浮上しないとい可能性を抱えることになります。

グレアム流投資術の補完方法

3.でのべたようなグレアム流投資術の欠点を補完する方法は以下の二つになります。

 

  • 株式投資において相当な知見をもったプロフェッショナル集団が詳細に株式価値について研究し魅力的な株価を発掘し続ける。
  • ファンドとしての資金力を活かして魅力的な株価の株を一定程度保有し、もの言う株主として経営に入り込み、株式価値向上策を提案し実行に移させていく。

 

このようなことが出来るのは株式投資としての知見だけでなくビジネスの見識も備えた集団が運営するファンドということになります。

このようなファンドに投資することにより、最も洗練された形でグレアムの投資術を実践することが出来、尚且つ自分で行うよりもHigh Performanceを享受していくことができます。

 

抑々、世の中で最も効率よくお金を稼ぐ手法としては、PEファンド然り、総合商社の投資手法然りで割安と思われる株式を取得し、経営に参画し経営を改善し株式価値を向上させ売却して利益を得るという手法です。

個人で最も効率よく資産を構築する手法も同様でビジネスと投資の知見を備えたプロ集団に、集団として資金をあずけ割安に放置されている銘柄を引き上げる動きをしてもらうという手法が合理的となります。

以下ランキング形式で上記の動きをする銘柄について紹介していますので参考にして頂ければと思います!

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