新興国株式投資で大きな利益を得たいけど、個別株の分析は企業の財務諸表英語だし、馴染みがなくて分からない。
取り敢えず指数に投資できるETFや投資信託に投資することにより、新興国株へ投資をしていこうと思っている方もいらっしゃると思います。
新興国全体の指数に分散できる型の投資信託やETF、各国に投資できる投資信託やETFがあると思いますが管理人としてはどちらもおすすめすることは出来ません。
その理由について記載していきたいと思います。
新興国全体に投資できるETFや投資信託
新興国全体に投資手できるETFや投資信託は、当然新興国の株式市場の時価総額に比例した配分を行います。
アジアの韓国、台湾、中国、香港が最大ポーションを占めてしまいます。実際に以下有名な三菱UFJ信託が出しているemaxis 新興国株式Indexの例を見てみましょう。
eMAXIS Slim 新興国インデックスはMSCIエマージング・マーケット・インデックスに連動する成績を目標としています。2021年2月末時点の同指数の構成上位国は以下の通りとなっています。
構成国 | 構成比率 |
中国 | 39.68% |
台湾 | 13.68% |
韓国 | 13.06% |
インド | 9.27% |
ブラジル | 4.22% |
南アフリカ | 3.55% |
ロシア連邦 | 2.91% |
サウジアラビア | 2.51% |
タイ | 1.81% |
メキシコ | 1.58% |
まずですね、香港、韓国、台湾を新興国に入れている時点で納得がいきません。これらの国は人口ボーナスも終わり中所得国の壁を超え今後低成長が見込まれる国々です。
これらの国の株式を多く盛り込んでいては成長力が高く本当に魅力的な新興国の成長を取り込むことが出来ません。
更に中国とその影響をもろに受ける東南アジア株、また香港もダイレクトに影響をうけるのでこれらを含めて30%以上のポーションを占めているのも危険であると考えます。
中国に関しては以下記事でも説明していますが、過剰投資による過剰生産能力、過剰債務、減少する労働人口という難題を抱えており、今後失速することが確実です。
仮に中国政府の投資で延命したとしても、それは最悪の事態を先送りしているだけで、結果的により深刻な結果を招くことになります。
管理人としては中国並びに、その影響を大きく受ける市場への投資は出来うる限り避けたいと考えています。このように世界の新興国の時価総額に準拠したような全体の投資信託やETFへの投資は控えています。
個別の国に投資できるETFや投資信託
新興国全体に投資できるETFや投資信託に魅力はないことを書きましたが、個別の国に投資できるETFや投資信託も以下二つの理由でおすすめできません。
実際の動きと低い連動率
私はインドのETFを購入していたことがあるのですが、連動対象となるインデックスとの連動率が低くて結局売却した経験があります。
指数連動型の投資信託やETFは日本や米国の株であれば、ある程度の連動率があるのですが、流動性の低い商品市場や新興国の株式市場ともなると連動率が著しく悪化するのです。
例として以下インドの株式指数と連動型ETFの同期間での上昇率を比較してみましょう。
インド株式指数 (SENSEX)
26,160 (2016年1月3日)
↓
34,056(2017年12月31日)
上昇率30.2%
インド株式指数上場投信 証券コード1678
134(2016年1月3日)
↓
164 (2017年12月31日)
上昇率22.3%
何故か8%も差が出ていますね。更にETFでも日がたつにつれて手数料が発生するので大体10%程の差が出てきていしまいます。
かなり大きいとおもいませんか?
銘柄の組み換えや、顧客の新規購入や解約の組み換えコストがかかるという説明ですが、それにしても多すぎますよね。
以下は過去5年の値動きですが「インド株式指数上場投信」はSENSEX指数を大幅にアンダーパフォームしています。

全員が取引できること自体が問題
そしてこちらの方が本質的にいいたいことなのですが、ETFや投資信託があるということは誰もがその市場に参入できることを意味します。
いままで新興国シリーズで色んな国を特集してきましたが魅力的な成長が見込まれる国であっても投資信託やETF、個別株が容易に取引で出来るような市場ではフィリピンのように株価が既に値上がりして割安ではなくなっているのです。
→ フィリピン株式投資は既に割高水準でおすすめできない!魅力的ゆえに脚光をあびる新興国の罠。
一方ラオスのような、不安定な国の株式市場は誰でも取引できるわけではなくラオスで証券口座を開設しなければならず、参入障壁が高く割安に株が放置されています。
新興国株投資で大きな利益を得たいのであれば、大きな成長が見込まれるにも関わらず、株式投資の参入障壁が高く、
まだ外国人が買えていないような割安な市場にいち早く参入することにより先行者優位を取ることが最も賢い方法であるといえます。
この条件を満たすような国の株は最初の項の新興国全体に投資する投資信託やETFには含まれていません。つまり、まだ株価が上昇していない状況であるといえるのです。
おすすめの新興国と投資手法
新興国に投資をするETFや投資信託についての欠点を述べてきました。
本当に儲かる方法はフィリピンのような理想的な成長が見込まれる新興国で、他者の参入障壁が高い株式市場であることを書いていきました。
ではそんな新興国あるのでしょうか?
結論としては、私が他の記事でも一押ししているイランの株式市場が該当します。その理由については以下記事に纏めておりますので参考にしてみて下さい!
イランは成長が見込まれるだけでなく、欧米からの制裁の影響もあって株式市場に外国人が参入できていません。
トランプ政権のもとで常に逆風にさらされていましたが、2021年に米国で親イランのバイデン政権が成立し制裁解除に向けての期待が膨らんでいます。
今まで外からの投資家の資金が入ってこなかったことによりイランの株式市場は法外なほど割安に放置されていました。
主要銘柄でもPERは4倍~6倍、更に配当利回りは20%以上の企業がごろついています。
通常の評価なされれば現在の4倍、成長を見込めば10年後には現在の10倍以上となることが想定される非常に魅力的な株式市場となっているのです。
そして我々日本人はラオスのように個人で開設することなく、イランに投資する方法が存在しています。
それは日本で唯一イラン株の投資許可を得た投資ファンドに資金を預け運用してもらうことです。このファンドは日本株でも設立以来マイナス運用はなく年平均10%の利回りを出し続けている実績があり、2018年4月からイラン株ファンドの運用を開始します。
目利きのファンドマネージャーによりイランの優良銘柄を選択集中して投資をしてくれるので、自分で銘柄を選別する労力を掛ける必要もありません。
以下管理人新興国ファンドランキングを参考にしてみてください!

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