人工知能に活用した投資信託:AI日本株式オープン(絶対収益追求型) 『愛称:日本AI(あい)』を評価。AI運用成功例として名を馳せるか?

人工知能に特化した投資信託:AI日本株式オープン(絶対収益追求型) 『愛称:日本AI(あい)』を評価。AI運用成功例として名を馳せるか?

 

数年前から「AI(人工知能)」は何かと話題になり、今後の時代を作っていくのは「AI」であるとの報道が目につきます。

それは、私も同感で、面倒な機械作業や、ビッグデータの活用などで日本、ひいては世界中の会社の業務の生産性の向上は間違いなく上昇すると信じています。

 

そんな中、投資信託の中でも、AIを活用したファンドが次々に現れています。機械は人間の運用を超えるのでしょうか?

 

今回はAI日本株式オープン(絶対収益追求型) 『愛称:日本AI(あい)』 について取り上げてみます。

結論として、思ったほどのリターンを実現できていない(むしろマイナスリターン)ことから、今後も投資に踏み切ることはなさそうです。

 

AI日本株式オープン(絶対収益追求型) 『愛称:日本AI(あい)』とは?人間の感情を凌駕するトレードは本物か?

日本株をAIを活用し選定し、また先物を組み合わせリターンを狙っていくファンドです。

過去のデータからAIが上昇する銘柄を選定する、ということは人間の感情は一切入らない運用になるということですね。(AIの投資助言に基づいて、ということなので多少は入るのかもしれませんが)

 

相場は感情に支配されてトレードをするというのは失敗することは私も身をもって実感してきました。

個人投資家でも一緒ですよね。あの人が自分より儲けてて悔しい、一発逆転でリスクを取ってやる、とか。会社の価値は変わっていないのに、短期的な相場の動きで下がったからといって簡単に優良銘柄を手放してしまったり。

しかし、このような感情は人間であれば左右されても仕方のないことです。ましてやファンドなど、他人のお金を預かりながら感情でトレードしてしまうと、取り返しのつかないことになります。

 

このAI日本株式オープンが、そういった人間の感情を排し、どれくらいのリターンを出しているのかはとても興味があります。じっくり見ていきましょう。

 

ファンドの概要:絶対収益追求のヘッジファンド型、AI等を活用した投資助言を基に運用を実行

目論見書を一部抜粋します。

 

<商品分類>

  • 単位型・追加型:追加型
  • 投資対象地域:国内
  • 投資対象資産(収益の源泉):株式
  • 補足分類:特殊型(絶対収益追求型)

<属性区分>

  • 投資対象資産:その他資産
  • 決算頻度:年2回
  • 投資対象地域:日本
  • 投資形態:ファミリーファンド
  • 特殊型:絶対収益追求型

 

ファンドの目的

わが国の株式に投資を行うと同時に株価指数先物取引等を行い、特定の市場に左右されることなく収益の獲得をめざします。

 

AI等を活用したモデルの開発は三菱UFJ信託銀行及び三菱UFJトラスト投資工学研究所(MTEC)が行うとのこと。

大手金融機関もAI運用にますます力を入れていることがわかりますね。

ここでのAIは以下のように定義されています。

 

AIとは

AI(人工知能)とは、Artificial Intelligenceの略で、「見る・聞く・話す・考える・学ぶ」等の人間が行う知的な作業をコンピュータを用いて模倣したソフトウェアやシステムのことです。

情報処理能力の著しい進化やネットワーク環境の高速化によって、リアルタイムに日々蓄積された大量かつ多種多様なデータ(いわゆる、ビッグデータ)が普及しました。このような環境面が整備されたことで、AI技術の発展と実用化が期待されています。

 

AIが組み入れている銘柄とはどのようなものなのでしょうか。

 

組み入れ銘柄(日本株)はバランスとれたセクター分散、特段AIによる特殊性は感じないポートフォリオ

業種別上位(株式)は以下の通りになっています。

バランスよくセクターを分散しており、集中投資するタイプのファンドではないことがわかります。

 

業種別上位(株式 (2019年01月31日現在)
小売 8%
電気機器 8%
化学 8%
情報・通信 7%
医薬品 7%

 

組み入れ上位10位は以下のようになっています。

1位が日本航空(JAL)となっており、これはコロナショックで大打撃を受けたのではないかと勘ぐってしまいますが、1.43%程度の比率であれば特に問題もなさそうですね。

武田薬品、三菱商事、NTTドコモと、AIでなくとも個人が好んで買いそうな銘柄がずらっと並びます。AIの投資助言は銘柄選定ではなく、タイミングの話なのでしょうか。

特段、特殊性は見つかりません。

 

順位 銘柄 業種 組入比率
1位 日本航空 空運 1.43%
2位 武田薬品工業 医薬品 1.42%
3位 三菱商事 卸売 1.33%
4位 NTTドコモ 情報・通信 1.28%
5位 日本電信電話 情報・通信 1.21%
6位 旭化成 化学 1.14%
7位 トヨタ自動車 輸送用機器 1.11%
8位 積水ハウス 建設 1.05%
9位 中国電力 電気・ガス 0.88%
10位 住友電気工業 非鉄金属 0.85%

 

ここで少しAIを活用した運用プロセスをチェックしましょう。

本当は先にやるべきだったのかもしれませんが、先走りしてポートフォリオを見にいってしまいました。決めつけはよくないですね。

 

特徴:運用プロセスのイメージ。AIをどう活用しているのかの再確認

運用プロセスのイメージは以下の通りになっています。

 

運用プロセスのイメージ

三菱UFJ信託銀行とMTECが協働し、戦略モデルの選定をしています。

株式個別銘柄戦略と先物アロケーション戦略に適用すると。あくまで、アロケーションをメインにAIを活用している印象を受けます。これ以上は読み取れませんでした。

組み入れ株式における株式市場に対する感応度を排除できると考える量の株価指数先物の売り建てを行う、ということで、先に銘柄選定は済ませた上での運用になるとも読めます。

 

実際の実績:直近3年で全くパッとしない成績

基準価額

基準価額を見てみるとあからさまに停滞していますね。

運用額は三菱が運用している割に33億円程度しかありません。大手がAIを全面に出してアピールしている割に、少ないなという印象を受けました。

それは、リターンのせいなのかもしれません。

 

成績を見ていきましょう。

直近1年のリターンは3.75%、3年で-4.67%となっています。損失を出してしまっていますね。

 

1年 3年(年率) 5年(年率) 10年(年率)
トータルリターン 3.75% -4.67%
カテゴリー 3.21% 0.40%
+/- カテゴリー 0.54% -5.07%
順位 34位 53位
%ランク 43% 89%
ファンド数 80本 60本
標準偏差 3.34 3.8
カテゴリー 9.76 7.99
+/- カテゴリー -6.42 -4.19
順位 12位 13位
%ランク 15% 22%
ファンド数 80本 60本
シャープレシオ 1.12 -1.23
カテゴリー 0.33 -0.1
+/- カテゴリー 0.79 -1.13
順位 17位 58位
%ランク 22% 97%
ファンド数 80本 60本

 

リターンの最大化にはとにかく、損失を出さないことが重要です。そして、コンスタントに利益を獲得することが大事ですが、トータルリターンが3年で-4.67%ということは、直近3年で失敗をやらかしてますね。

年間収益推移を見ていきましょう。

 

年間収益率の推移

やはり、2018年(VIXショックや中国経済減退などが集中した年ですね)から2020年までマイナスで推移していますね。これでは資産を託す気にはなれません。

2018年〜2020年といえば、TOPIXはどのような推移をしていたのでしょうか。

TOPIXリターン

少し見にくいのですが、2018年:-16%、2019年:+18.1%、2020年:+7.4%となっています。2018年は大きな下落があった年ですので、指数は一応オーバーパフォームしていますが、2019年と2020年は厳しい成績でしたね。

 

投資妙味はあるのか?損失を3年連続で出しているので信頼回復には程遠い

上記でもすでに述べた通り、直近3年連続でマイナス運用となれば解約者も増加するでしょう。そこで買いにいくのは逆張りです。

長期で資産を運用していく上で逆張り戦法は誤りです。安定して、コンスタントに利益を出すファンドを選ぶだけで、数年後には大きく他の人との資産との差がついていることを実感するはずです。

 

 

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