前回、AI関連ファンドに投資できるグローバルAIファンドについてお伝えしました。
→ 2020年高いリターンを出し評判となった「グローバルAIファンド」を徹底評価!為替ヘッジは「有り」と「無し」のどちらがよい?
たしかにAI関連も今の時代ホットなテーマではありますが、丁度日本でも普及し始めている5G関連銘柄も今話題の投資先として魅力を増しています。
5Gを中心として次世代の通信関連の企業に投資する投資信託として「次世代通信関連 世界株式戦略ファンド」が人気を誇っています。
名前が長いので以降は愛称として親しまれている「THE 5G」とすることとします。本日はTHE 5Gについて紐解いていきたいと思います。
Contents
投資信託「THE 5G」の特徴とは?
それではまずは「THE 5G」の特徴について見ていきたいと思います。
Next Generation Connectivity Fund JPY Unhedged Classに投資
「THE 5G」を販売しているのは三井住友トラストアセットですが、実際にニューバーガー・バーマン・グループが運用するNext Generation Connectivity Fund JPY Unhedged Classに投資をしています。
つまり運用はニューバーガー・バーマン・グループが担っているということですね。ニューバーガー・バーマン・グループについての説明は以下となります。
- 1939年創業の資産運用会社で、米国ニューヨークに本社を置き、世界の運用拠点にて約660名の運用担当者 が、世界中の機関投資家や個人投資家向けに、様々な資産運用サービスを提供しています。
- 運用総資産残高は約3,568億米ドル(約38兆円)、従業員数は約2,300名を有する独立系の資産運用会社です。
参照:請求目論見書
日本では類を見ないレベルの巨大な資産を運用してい投資信託ということができますね。
投資しているのは5G関連銘柄
「THE 5G」は5G関連銘柄に投資をしていきます。5Gが普及することであらゆるモノがインターネットにつながるIoTが実現していきます。
IoTは現在433兆円の市場規模となっていますが、2025年までに1,336兆円の市場規模となることが見込まれています。
一言にIoTといっても以下のように様々な分野が存在しています。
小売 | 139.2兆円 |
作業現場 | 111.6兆円 |
都市 | 199.2兆円 |
家 | 42.0兆円 |
工場 | 444.0兆円 |
オフィス | 18.0兆円 |
ウェアラブル | 190.8兆円 |
車・その他 | 190.8兆円 |
合計 | 1,336兆円 |
参照:SMBCニッコウ
世界第3位のGDPを誇る日本のGDPが約600兆円であることを考えると、以下に潜在性の高い市場であることが分かりますね。
構成国は米国と中国で70%を占める
構成上位国は以下の通りですが、米国と中国だけで全体の7割を占めています。
構成国 | 比率 |
米国 | 59.96% |
中国 | 12.13% |
日本 | 5.49% |
台湾 | 4.85% |
韓国 | 3.13% |
スペイン | 2.89% |
スウェーデン | 2.55% |
英国 | 2.23% |
シンガポール | 1.88% |
フィンランド | 0.99% |
「THE 5G」の構成上位銘柄
THE 5Gの構成銘柄は49銘柄となっています。以下は2021年2月末時点の上位10銘柄となっています。
銘柄 国名 産業分野 |
概要 | 構成比率 |
JDドットコム 中国 通信サービス |
独自の物流システムを整備している中国版アマゾン | 3.67% |
キーサイト テクノロジーズ 米国 通信インフラ |
世界中の通信関連企業を顧客に持つ電子計測機器メーカー | 3.63% |
村田製作所 日本 IoT機器 |
電子部品企業。MLCCや無線通信用の電子部品に強みを有する | 3.43% |
ゼンデスク 米国 通信サービス関連 |
自動応答やチャットシステムなどカスタマーサポート関連のソフトウェアをクラウドベースで提供 | 3.37% |
TモバイルUS 米国 通信関連サービス |
ワイヤレス通信プロバイダー。米国全国規模の携帯電話事業者の大手 | 3.09% |
バンドワイズ 米国 通信関連サービス |
インターネットを介した音声通話サービスを提供する米国企業 | 3.09% |
アナログ・デバイセズ 米国 IoT機器 |
アナログおよびデジタル信号処理用集積回路の設計、製造、販売会社。 | 3.06% |
ツーシックス 米国 通信インフラ関連 |
光学部品や半導体の材料となるウエハーを提供する米国の電子部品メーカー | 2.92% |
アドバンスト マイクロ・デバイセズ 米国 通信インフラ関連 |
米国の半導体メーカーでCPUやGPUに強みを有する企業 | 2.91% |
セルネックステレコム スペイン 通信インフラ関連 |
通信キャルアやメディア企業を主な顧客として5万基以上の通信タワーを運営するスペインの企業 | 2.89% |
10銘柄で約40%をしめており米国と中国企業を中心で占められています。日本からは村田製作所がランクインしていますね。
手数料はアクティブ型投資信託の中でも高い水準
最初にお伝えしている通り、Next Generation Connectivity Fund JPY Unhedged Classに投資をしているためニューバーガー・バーマン・グループへの手数料と三井住友アセットへの手数料が発生します。
つまり以下の通り手数料は非常に高い水準となります。
購入手数料:3.3%(税込)
信託手数料:年率1.188%(税込)
「THE 5G」の運用実績を紐解く
それでは肝心の「THE 5G」の運用実績についてお伝えしていきたいと思います。
コロナショック後に急速に基準価格を伸ばす
肝心な成績ですが、コロナショック後に2倍になっており株価が急騰しています。

データとしてみると以下となります。標準偏差というのは投資におけるリスク指標となっています。(参照:投資におけるリスクとは?)
年 | 1年 | 3年(年率 |
---|---|---|
トータルリターン | 56.19% | 21.28% |
カテゴリー | 28.21% | 8.24% |
+/- カテゴリー | +27.98% | +13.04% |
順位 | 44位 | 12位 |
%ランク | 15% | 6% |
ファンド数 | 299本 | 208本 |
標準偏差 | 18.16 | 19.71 |
カテゴリー | 26.06 | 20.67 |
+/- カテゴリー | -7.90 | -0.96 |
順位 | 21位 | 106位 |
%ランク | 8% | 51% |
ファンド数 | 299本 | 208本 |
シャープレシオ | 3.09 | 1.08 |
カテゴリー | 1.17 | 0.42 |
+/- カテゴリー | +1.92 | +0.66 |
順位 | 17位 | 9位 |
%ランク | 6% | 5% |
ファンド数 | 299本 | 208本 |
ナスダック総合指数をアンダーパフォーム
ただ、成績がいいのは5G関連銘柄に限ったことではありません。以下はTHE 5Gとナスダック総合指数とS&P500指数の比較です。

ハイテク中心で構成されているナスダック総合指数に比べてアンダーパフォームしています。つまり、投資対象に対してアクティブリターンをたたき出せているわけではないということですね。
ハイバリュエーションと金利高で今後の見通しは厳しい
以下は直近1ヶ月のTHE 5Gとナスダック総合指数とS&P500指数のチャートです。

直近1ヶ月でみると大きく下落しています。これは今まで上昇を続けたことでバリュエーションが高くなっていることが要因です。
株価が高くなっているグロース株は金利が上昇すると、将来の利益の割引現在が低くなるので企業価値が減少します。
結果的に株価が下落するということになります。気になる長期金利ですがコロナショックを経て上昇が本格化しています。

経済再開期待が高まり金利が上昇することが想定されていますので、今後グロース株市場は厳しい環境が続くことが想定されます。
すると、ハイテク銘柄中心のTHE 5Gも苦しい環境が続くとみるのが妥当でしょう。
まとめ
「THE 5G」について纏めたものは以下となります。
- 5G関連の銘柄に投資
- Next Generation Connectivity Fund JPY Unhedged Classに投資している
- 組入銘柄は米国のハイテク銘柄中心
- 高いリターンだがナスダック総合指数に劣後
- 今後の金利高で大きく下落する可能性があり現時点での投資は危険
以下で長期的に資産を形成するために適したファンドについてランキング形式でお伝えしていますので参考にしていただければと思います。
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